【梛文】#6 これだけ。それが心地よい。
久しぶりに大学へ行った。
ここ2年間で、3度目の登校だろうか。
とにかく久しぶりだった。
友人と会った。
話したのは1年ぶりで、来年社会人だねなんてくだらない話をした。
予定までお互い時間があったので、近所のレストランで昼食を取ることになった。
2人ともランチプレートを注文し、談笑しながら美味しくいただいた。
その後大学へ戻り、互いの用事を済ませ、2人とも帰路に就いた。
これだけだった。
これだけが、こんなに素晴らしいものなのだと知った。
普通に登校していた時は、こんな事毎日あった。
しかし、当たり前すぎてその素晴らしさに気づけていなかったのだと知った。
コロナで、学生をはじめ、皆が何かしらに拘束されている毎日。
自分も人と過ごす時間が減った。
正直、1人は好きな方だと思っていた。
だが、そうではないと気付いた。
人といる時間が、こんなに素晴らしいと知った。
大学に行き、昼食をとり、話し、予定を済ませた。
ただ、それだけ。
でも、それが心地よかった。
自分は恵まれていたのだと気付いた。
皆のお陰で、楽しい日々を送っていたのだと知った。
コロナは憎いけど、こうした普通の幸せに気づかせてくれたという事に関しては、
感謝すべきなのかもしれない。
人と過ごす。
これだけ。それが心地よい。