【梛文】
彼女は小学校では、独りぼっち。 暇な時間は勉強に費やした。 中学校に上がり、部活が始まり、忙しくなった。 それを言い訳に、勉強をおろそかにしてしまった。 中間テストまで、ろくに勉強をしなかった。 それでも、小学校で蓄えた学がそれなりにあり、 勉…
こんなにそばにいるのに、 誰よりも遠く感じる。 私の愛は、手の上の砂のように、すり落ちる。 どれだけ想っていても、 君はその想いを受信しようとはしない。 ふと口にでてしまった、寂しいの一言。 君はその一言聞いて、何も言わずに、床についた。 私の愛…
「別れよう」 彼女にそう言われた大学1年の春。 目の前にあった道が、突如歪んで見えたのを、今でも思い出す。 大学に入学して間もない頃だった。 皆浮かれ気分。勿論私も浮かれ気分。 そんな中、突如電話で言われた一言だった。 学内に笑顔という花が咲き乱…
久しぶりに大学へ行った。 ここ2年間で、3度目の登校だろうか。 とにかく久しぶりだった。 友人と会った。 話したのは1年ぶりで、来年社会人だねなんてくだらない話をした。 予定までお互い時間があったので、近所のレストランで昼食を取ることになった。 2…
いじめがなくなり、ふつうに、生きられるようになった。 ふつうに部活動に励み、 ふつうに友達と遊び、 ふつうに家族団欒できるようになった。 中学では、楽しいことがたくさんあった。 友達と映画を見に行ったり、初めて恋人ができたり、学級委員長やったり…
「ふつう」を手に入れるために いじめられているという、異常から抜け出す必要があった。 そのためにまず、 いじめられている事実を認めた。 私の立ち位置を認めたうえで、 何が必要なのか、考えた。 なぜ、私は普通の状況ではないのか、考えた。 私には、答…
いじめを受けていた。 相談できる人はいなかった。 いや、相談を試みたことが一度だけあった。 とある先生にいじめを受けていると相談した。 返された言葉は、「きちんと話し合ってみよう」だった。 どうやら、いじめられている私に問題があったようだ。 「…
小学生の頃、いじめを受けていた。 成人式で、いじめてきた人たちに聞いてみた。 「なんで、私をいじめたの?」 彼等は言った。 「ごめん。なんとなく。」 一番、言われたくないセリフだった。 理由があれば、なんとよかっただろうか。 私の小学生時代の思い…
あなたの、立つ位置はどこですか。 人は、勝とうとする。 見た目や金銭、立場。 何かで、勝とうとする。 人は、願っている。 相手よりも、上の立場であること。 そうありたいと、願っている。 人は、信じている。 誰よりも、立場が上になること。 それが幸せ…